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”ツンデ・レデン・刹ッ”の第6幕

第6幕   死闘(前半)



――――――トクットクトク……

グラスに水が満たされていく。
「では、行ってくるニャッ!」
水が満たされたので重くなってしまったグラス。それを慎重にお盆に乗せ、レデンは意気揚々とクソジジィの所に向かおうとする。
「ちょっと待て、レデン」
「ニャっ?」
 レデンを引き止める。まるで、特攻隊に出向く父を引き止める幼い娘のように。
「どうしたニャ、ご主人様?」
俺はちょっと迷っていた。このままのレデンのメイド技では、あのクソジジィを萌え死することはできないのではないかと……、あのクソジジィは異常な萌え猛者だ、生半可なものは通用しない。そう……、俺の経験が言っている。だが……、いいのか? 封印を解除してしまっては、一体何が起こるのか俺にも予測不可能になってしまう……。やっぱり危険すぎるッ。 
「ご主人様?」
レデンが心配して、悶えている俺様の顔を覗き込んできた。その表情はあまりに無知で、無垢なもの。汚したくはない。だがッ、だがッ……、
「レデン……」
「ニャ?」
くっ……、チクショウッ!
覚悟を決めた。

――――――「……裏メイド技の使用を許可する……」

その場にいたメイドさん達の顔色が急に青くなった。まぁ、当然の反応だな。
「ご主人様……?」
レデンの持っているお盆がカタカタと震えている。何で震えているのかは分かっている。だが、今の俺にはその震えを止める手段はない。どんな言葉をかけても無意味だ。自分で自分を落ち着かせ、己の壁を越えなければいけない。そうしなければレデン……、俺達は負けてしまうんだ。
「頼んだぞ……」
俺はこの判断をした自分が許せず、この悔しさを紛らわさせるために拳を思いっきり握った。こんなにも自分は無力なのかと憤慨する。手から血が滴り出そうが、お構いなしに拳を強く握り締めた。
「ご主人様……、行ってくるニャ……」
レデンの頬には冷や汗が流れていた。だが、俺にはその汗を拭く資格すらない。済まないレデンよ。こうでもしなければ……、ヤツを倒すことはできないんだ。裏メイド技しかヤツには通用しない。お前にしか出来ないんだ。俺は……、お前を信じている。信じているぞッ! 
 戦地に向かうレデンは、国の英雄として還ってくる戦士よりも輝いて見えた。
「レデン……」
力強く一歩を踏み出したレデンは、そのまま激戦の最前線へと向かって行った……。

――――――――――☆

 戦闘開始。
「ご主人様、お水をお持ち致しましたニャッ」
元気のいいレデンの声が店内に響いた。
「ふむ、済まな……ッ?」
 ここでクソジジィに異変が発生。その視線の先を辿ると、そこには上半身を必要以上に屈めたレデンの姿。もっと詳しく言うと、レデンの胸部にクソジジィの目が釘付けになっていた。
これぞ、グラスをテーブルに置く際にお客さんに自分の胸の谷間が見えるようにする……、即ち……、裏メイドの極意、初極ッ。
「まずは初極」
レデン達の様子を遠くから見ていた俺は、初極が決まったのが嬉しくつい声が出てしまった。それにしてもクソジジィ……、レデンにはほとんど胸が無いのに反応しやがった……。ちっ……、あのクソジジィ、ロリコンの属性も持っていやがるとは……。
 おっと、まだまだレデンの攻撃は続いているようだ。俺のことはいいから早くレデンにカメラを向けなおせッ。
心に浮かんだカメラをレデンに向けると、甲高い叫びが聞こえてきた。
「って、何で御礼なんて言っているのニャッ!? べ……、別にあなたのためにお水を持って来てあげた訳じゃないんだからニャッ! し……、仕事だからっ、しょうがなくニャァァァ~!」
 突然の思いがけない反応には、どんな男も次のような行動を取るしかないのが世の定めだ。
「す……済まない……」
素直に謝る。これが一番さ。最近はちゃんと謝れないヤツもいるそうだ。そういう奴らって可哀想なんだぜ。だってさ、謝るという行為によってもたらされるM的な快感を得られないんだぜ。可哀想にもほどがあるよな。

「そ……、それじゃあ早く注文するニャッ、まだ決まらないニャッ!?」
 あっ……、レデン達のことを忘れていた。急いで頭の中から出てきた妄想を振り払い、勝負の行方を注意深く見守る。状況は……、悪くは無い。むしろペースはレデンが握っている。これならいけるぞ。
「うっ、済まない。まだ決めておらんわい……」
注文をとるのを焦らすのは中々の策略。焦ることによって心臓の鼓動も早くなり、ある意味の興奮状態を生み出すのさ。
「全く、しょうがないご主人様ニャ……、でもいいニャっ、注文が決まったら呼んでニャ。すぐに駆けつけてあげるニャ」
「うっ、うぅ……、申し訳ない……ハァハァ……」
この絶妙なタイミングでデレが来たら、誰だって堕ちる。恐ろしいまでのツンデレメイドがここにいた。
「では、失礼しますニャ」
「うむ……ぅッ!?」
クソジジィにまたもや異変が発生。その発生原因は……、言うまでもなくレデンだ。では、今クソジジィが喰らった裏メイド技を紹介してやろう。
お客さんの席から離れる際、軽くジャンプ気味にUターンし、スカートがヒラリと舞い上がるようにする。これぞ裏メイドの極意、次極。
 スキを全く与えない怒涛のような攻撃。
「ナイスだ、レデン」
鼻血が止まらない。急いでティッシュを探して鼻に突っ込んだ。
男は誰もが、パンチラという誘惑には勝てないのさ……。

――――――ガシャンッ

「ニャッ!?」
「むっ?」

おぉっとう……、予期せぬアクシデントの発生だぜっ。レデンが回転した際にレデンの尻尾がグラスにぶつかってしまい倒れてしまったじゃないかっ。しかも、こぼれた水がクソジジィの下半身の急所にかかってしまったではないかっ。これは緊急事態だぜっ。
 
「も……、申し訳ございませんニャ、ご主人様ぁ!」
レデンはこの状況をどうすればいいか分からず、ただオロオロしている。あぁ……、レデンっ、見ちゃいられないぜっ。だが……、、ドジなメイドさんというものも中々いいな。 

 クソジジィは濡れてしまったことに初めは動揺していたが、すぐに冷静になった。
「いや、この程度の濡れは何も問題ないわ。気にするでない」
「……にゃぁ~……」
肩を落として落ち込むレデン。しかし、良く考えてみると、これはもしやレデンの作戦では……?
「ご主人様……」
「うむ、どうした?」
レデンが何処からともなく取り出したのは、清潔そうな白いタオル。

「拭かせてもらいますニャっ!」
決意に満ちたレデンの声が店内に響いた後、タオルを握り締めたレデンの手がクソジジィの魔の巣窟に迫った。当然、クソジジィは驚いた。
「い……いやっ! 自分で拭くから気にしなくてよいわい!」
クソジジィは迫り来るレデンの手から自分の聖域を必死で守ろうとしている。レデンよ……、俺様の聖域はいつでも開放しているから、いつでも遊びに来ていいぞ?
しばらく『うぬぬ~』とお互いが唸っていただけだったが、レデンの反撃が始まると形勢に優劣が生じた。
「何を言っているのニャッ! ご主人様に御奉仕するのがメイドの最上の喜びニャッ! 邪魔するニャ~!」
クソジジィはこのレデンの強気の態度に一時ひるんだが、
「じゃあドライヤーで乾かしてくれい! それなら何も問題ないわい!」
「ドライヤー……、了解ニャッ! 今すぐ持ってまいりますニャッ!」

――――――ヒュンッ…………、ヒュンッ

「持ってきたニャ!」
「はやっ……、まぁよい。それで乾かしてくれい」
「了解ニャッ!」
 ドライヤーのスイッチが入れられた。

――――――ブォォォォォ……

「ふむぅぅぅ……、気持ち良いのぉ……」
暖かい熱風が濡れた場所に当たり、クソジジィは何とも言えない心地良い顔をしている。ふっ……、これぞ裏メイド技外伝、ご主人様の身も心も温めますだ。
 おや……? レデンの様子がおかしいぞ?
「は……くしゅんッニャッ」

――――――カポッ

「ノガァァァ~!?」
おぉっ、レデンがくしゃみした反動で、持っていたドライヤーがクソジジィの股間にジャストミートしたぜっ! 正に自然が起こした自然災害だな。
「あぁっ、ごめんなさいニャッ……、でもこっちの方が早く乾くニャッ! ウリャリャ~」

――――――グリグリ……

「ノォォォォ~! こんな……、こんな馬鹿なぁ……!」
両手で頭を抱え込みながら悶絶しているクソジジィの表情は、自分が叫んでいる内容とは全く違う清々しいものだった。あぁ……、俺もされたいぜ。体が入れ替わってしまうというベタなイベントが、何故いま発生しないんだッ!?
「乾いたニャ」
クソジジィの羅生門から、ドライヤーが<カポッ>と外れた。
「うむ、ご苦労だった」
心なしか、クソジジィの顔色は先ほどよりも<キラキラ>と光沢を放っているようだ。何と言うか……、『生きていて良かった』という心の叫びが伝わってくる。
「注文決まったわい。この、“アツアツメイドスープ”をもらえるかな?」
「了解ニャッ!」

注文を取り終え、俺の元に戻ってくるレデンは、まるで地球を隕石から救った宇宙飛行士の様に、何かを成し遂げたようにイキイキとした笑みを浮かべていた……。

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この記事に対するコメント

キタ――(゚∀゚)――!!
今回もシミコンくおりちぃー炸裂ですなw
いや~、一家に一人、レデンのようなメイドが欲し…(激しく撲殺

【2006/03/08 17:48】URL | きつねこ #-[ 編集]

僕の将来の夢は、こんなメイドさんを雇うことです(激しく萌え死

【2006/03/08 20:08】URL | シミコン #-[ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

【2006/03/09 20:10】 | #[ 編集]

こんにちは♪

すごい名前ばっかですかね~?
・・・でもそうかも・・・。
どうしても他の人が使わなさそうな字で
絶対なさそうな名前にしちゃうんデス・・・。
他の人と同じっていうのが
あまりスキではないので・・・。

すみません!!こんな話になっちゃって(_ _;
リンクいいですよ^^
こっちもしちゃいますね☆

【2006/03/11 12:54】URL | *しぃ* #PTRa1D3I[ 編集]

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