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”ツンデ・レデン・刹ッ”の第3幕

第3幕   複雑な心



ここはメイド喫茶。ここは天国。
「お帰りなさいませ、ご主人様ぁ~~」
ハッハッハッハァァァッッ~! メイドさん……、ハァハァ……! ゴクリッ!
「いや、俺は客じゃないぞ」
平静を装っている俺様だが、目の前にいる生メイドさんに興奮して、全身から血が噴出さないようにこらえるので精一杯だぜッ!
「あはっ、お待ちしておりました。何でも屋の和也様ですねっ?」
メガネが良く似合うメイドさんが健やかに笑った。ぐふっ…、メガネ好きなら一発でKOだな。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
メイドさんが向こうを指さすと、そこにはちょっとシャレたドアが立っていた。
え? どんなドアだって? それはご想像にお任せする。 
「よしっ、行くぞレデン」
俺は付いていこうと一歩踏み出そうとしたが、

――――――ギュムッ

レデンに後ろから服を引っ張られて止められてしまった。
「……どうしたレデン?」
挙動不審なレデン。周りをキョロキョロギョロギョロ見ようと首を忙しなく動かしている。
「ご……ご主人様、ここは一体どこなのニャッ!?」
レデンの手は震えていたが、その目は働くメイドさん達に釘付けだ。
「ここか? ここはだなぁ……」
「ここはメイド喫茶“テラメイド”ですっ!」
俺の代わりにメガネのメイドさんが答えてくれた。
「な、何でそんな服を着ているニャッ?」
そう言いながら、レデンはメガネのメイドさんが着ている服を指差した。なるほど……、レデンはさっきからこのメイド服が気になって気になってしょうがないのか。可愛いやつめっ!
 レデンに指差されたメイドさんは、両手を自分に向けて<グッ>と胸の前で握り締めてから口を開いた。
「いいですか? 良く聞いてくださいネコさん」
「了解ニャッ」
<スー>と息を吸い込むメイドさん。そして言葉を放つ。
「この服無しでは、決してメイドさんには成れないからですっ! この服無しにメイドさんなんてありえませんよっ!」
力説どうもありがとう。
「ニャニャ~! メイドさんってすごいニャ~!」
何がだよっ?
「そろそろ案内してくれないか……」
このままメイドについて語り合うのもいいが、仕事は仕事だ。
「あっ、すいません! 私ってメイドの事になるとツイ我を忘れちゃうんですよッ。てへっ、こちらへどうぞ~」

――――――――――☆

案内された部屋には、木造の立派なテーブルと大きな黒いソファーが置いてあった。
「どうぞこちらへ座ってください」
 突然、俺の横から何かが飛び出した。
「フニョフニョするニャッ~! 気持ちいニャ~」
砂浜でフラッグ先取り競争する暑くるしい男達のように、レデンがソファーに飛び込んでいた。いつもなら叱るところだが、まぁ無視だな。
「で、仕事の内容なんだが」
「気持ちよすぎるニャッ~! これほしいニャ! ほしいニャァァ~~! 買えよ、ご主人様ぁぁぁ~!」
「はい……、今回の依頼は、この店のオーナーの“萌えレジスタンス”に関してお願いなんですっ!」
「ほう……、聞こうか……」
「買って買って買って買ってニャ~! スキありニャァ!」

――――――ブシュァァッ!

「私たちはオーナーに言ったんです。“今の激動の時代、このままのスタイルでは他のメイド喫茶に後れを取ってしまいます。正統なメイドも大切ですが、時代の流れを取り入れるのも大事なんです。ですから、ネコ耳付きメイドさんやツンデレメイドさんの正式導入を認めてください”って。そう言ったらオーナーは何て答えたと思いますかっ!?……頬から血が滴り落ちていますよッ?」
「確かに……、今の時代、正統メイドだけでは生き延びるのは厳しいかもしれねぇな。……あぁ……、これは気にしないでくれ。じゃれているだけだ」
「ニャッ!? この匂いは……、カツオ節ニャァァァ~~~! どこニャッ!? 出てくるニャッ~!」

レデンは五月蝿くそう叫びながら、キッチンらしき方へ神風の如く飛んで行った。
話は続く。

「さっきの提案に対して、オーナーはこうおっしゃいました。“時代の流れか……、そんなものは必要ない。よいか、良く聞きなさい。ワシの時代は本当に物が無くてひもじかった……。だから、メイドさんを雇っていたお金持ちの友達の家に遊びに行った時は衝撃が走ったよ。まさに、”メイドさん萌えぇ~!”じゃった……。今のメイドさんでさえワシにとって贅沢なのに、それにさらにネコ耳やツンデレじゃとっ!? ワシは萌えすぎて死んでしまうわいっ!“ と……」
話し終えたメイドさんの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
「……で、結局、俺は何をすればいいんだ?」
「ぐすっ、は……はい! それで私たちが、ネコ耳付きやツンデレのメイドさんを実践して、オーナーには萌えに対する抵抗力をつけてもらおうとしたのですが…」
「……ですが?」
メイドさんの表情がより一層険しくなった。
「私たちではレベルが高すぎて、オーナーが萌え死する可能性が出てきてしまったんですよっ!」
「……何だって?」
あまりの話の内容に、つい聞き返してしまった。
「ですから、オーナーが死んじゃうんですよッ。それを防ぐために、萌えのエキスパートである和也様には、オーナーに適度なツンデレ子猫娘のメイドさんを用意してもらいたいのですッ!」

言い切った。こいつは言い切った。ここまで言い切れるヤツはざらにはいねぇ。

――――――「カツオ節ゲットニャ~! メイドさんからもらったニャ~」
 
 子供がお母さんに買ってほしいお菓子を買ってもらえた時のような笑みを浮かべながら、戦利品をゲットして戻ってきたレデンの口の中は、<モッシャモッシャ>とカツオ節で埋め尽くされていた。
「タイミング良く帰ってきたな」
もうすでに、俺様の頭の中ではこの仕事に対する計画はまとまった。
「ニャッ!? ご主人様にレデンのカツオ節が狙われているニャッ! 先手必勝ニャッ」

――――――ザシュッ!

「よしっ! この仕事引き受けた! 仕事料金は成功した時のみで結構だ」
「あっ、ありがとうございます! って、大丈夫ですかッ!?」
「ツンデレ子猫娘のメイドには、このレデンになってもらう。心配することは無い。うまくやる。任せてくれ」
「いやそうじゃなくて……、頭から血がッ」
「そうだな。明日の13時、オーナーをここへ呼び寄せろ。オーナーの萌えレジスタンスを一気に上げてやるぜッ!」

よしっ! 何だか燃えてきたッ! いや、萌えてきたッ!!

「あ、あのっ、メイド服はどうされますか……?」
 メガネをかけたメイドさんは、自分の着ている服の胸元の生地を引っ張りながら答えた。一瞬というか、かなりその手元に視線を奪われたが、俺の萌えレジスタンスを舐めるなッ。
「いや結構! すでに俺の家にはある! 言っておくが、明日は俺の好きなようにさせてもらうからな。じゃあ帰るぞ、レデン! 今から特訓だ!」
「了解ニャ~! カツオ節ありがとニャ~、さいニャら~」
「はっ、はい! 明日はどうかよろしくお願いします」
そして俺達は、夢や勇気や希望を抱きながら、メイド喫茶“テラメイド”を後にした。

――――――――――☆

「カツオ節~♪ モッシャモッシャで美味しいニャ~♪ シに打点を付けたらいけないニャ~♪」

俺が教えた“カツオ節の歌”を、カツオ節を食べながら熱唱しているレデンの歌声をBGMに、俺は今日、レデンにどんなメイドテクニックを仕込むか考えていた。

ふっふっふっ……、明日が楽しみだ。
適度な萌えだと? くっくっくっ……、そんな物……、この世に存在してはいけないぜ!
やるなら……、徹底敵にだ! 俺様にこんな仕事を依頼したことを、ものすご~~~~~く後悔させてやるぜっ!

「だぁ~はっはっはっはっは~~~!」

「何だか楽しそうなのニャ~! ニャ~っはっはっはっニャ~~~!」

俺たちの笑い声は、どこまでもどこまでも響いていった……。



「(問題があるとすれば、美鈴をどうするかだな……)」








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この記事に対するコメント

あのー、オーナーが老人口調ぽかったんですが…? 老人だとしたら、萌え死にさせて、そのまま天国にお召しになられるのがいいかと思います(マテマテ
にしても…。シミコンさんの小説、味があっていいですな~。ポチっとお気に入りに追加しときますた~。
ネコサイコ~!
でわでわ~。(・∀・)ノシ~

【2006/02/16 02:27】URL | きつねこ #12tFVPNw[ 編集]

よし! いい話を考えましたよっ!

楽しみにしていてください!

【2006/02/17 11:39】URL | シミコン #-[ 編集]

楽しみですなーw

【2006/02/17 20:00】URL | きつねこ #-[ 編集]

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