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”自分に厳しく、地球に優しく” 第12幕

第12幕  朝練



2009年5月24日は、僕にとっては最低の日でしたよ…。これが本当の「最低」だと僕は思います。昨日も最低だったけど、今日も最低だったよ。最低レベルをランク別にすると、今日は17最低だったね。あっ、ちなみに昨日は15最低だったよ…。

僕の名前は新谷和也。私立萩原中学校の2年生です。5月24日のAM:6時に起床しました。

――――――全身、汗だくで!

まぁ…、理由は簡単ですよ。何故なら、美鈴がわざわざ早起きして僕の腰の上に大量のお灸を置いていったからだぁッ~~!(キレ気味)
全身汗だくで、ものすごく熱いですが、それを除けば腰の筋肉は喜んでいることでしょう。
何故、美鈴が犯人だと分かったのか。理由は簡単です。何故ならドアに、

バカ兄貴の健康法

というお札が張ってあったからだァァッッ~~~!!(マジ切れ)

「美鈴ゥゥッ~! ナニさらしとんじゃいぃぃッッ~~!!」
さすがの僕も堪忍袋の緒が切れましたね。ブチキレマシタネ。
急いで立ち上がろうとしたけど、腰に大量のお灸が置いてあるので無理でした。もし、今立ち上がると、お灸の火がベットとかに引火する可能性があります。
「さすが僕の妹だ。なんてトラップを考えるんだ」
何気に感心してしまいましたよ。って、この状況をどうやって脱出すればいいのでしょうか? 火が消えるまで待たなければいけないのでしょうか?
ふと、携帯に目が行きました。時間を確かめると6時2分でした。そして、メールが来ていることに気がつきました。
「あっ、立花さんからだ」
心臓の鼓動が急に早くなりました。女の子からメールが来たのは僕の人生で初めてだったからです。
「ふぅ…、落ち着け僕。…よし、見るぞ」
気持ちを落ち着けてから、メールを見ました。メールには次のような内容が書かれていました。

和也君へ
明日の6時30分から学校の体育館で修行をするので、遅れずに来てね。
                                       」
この時はまだ寝起きだったので、このメールの意味が良くわかりませんでした。しかし、それから時間が経つにつれて徐々に意味が分かってきました。
「修行ッ!? っていうか、このメールに優しさのカケラも感じねぇ!!」
このメールで立花さんがどんな女の子かがよ~~~く分かりましたねっ。
「6時30分って…、早く行かないと間に合わない!」

とりあえず、どうやって起きればいいんでしょうか? 腰のお灸をどうにかしなければ!
「くっそ~、美鈴め! 覚えてろ!」
僕はゆっくりと体を動かし始めました。そして、お灸を落とさないように気をつけてベットから降りて、ホフク前進で移動しながらドアを開けました。
「うぅっ、熱いよぉ…」
必死に熱に耐えながら、階段を猫みたいに慎重に降りて、靴も履かずに外に出ました。
玄関先の道路まで出るともう安心です。

「うおぉッ~~りゃぁぁぁッ~~~!!」
一気に立ち上がり、腰にあったお灸を道路にぶちまけました!
「僕だって、やれば出来るんだよぉぉ~~~!!」
空に向かって叫んだあと、急いで家の中に戻りました。リビングに向かうと美鈴がテレビを見ながらご飯を食べていました。
「美鈴ゥゥゥ~~~!!!」
「あっ、バカ兄貴おはよう。って、朝からうるさいっ!」

――――――プッチ~ン…!

第46次新谷家大戦の勃発です!
「これほどお前を憎んだことは、今まで一度もないぜ!!」
「お褒めに預かり光栄であります、バカ兄貴ィィィッ~~~!」

今日は武器を使わずに、素手での戦闘が続きました。しかし、素手では分が悪く、遂に僕は美鈴のアッパーを食らってしました。
「グフゥッ!」
「トドメよ~~~!」
その時、僕の頭の中で何かがはじけました。(パァァァ~ンと)
迫ってくる美鈴の正拳。僕はとっさにあるツボを押してしまいました。
「きゃあぁぁッ~~~! う…腕が痺れて動かないわ! 何をしたのよ!?」
美鈴は腕を抱えて一歩後退しました。
「何、たいしたことではないさ、ちょっと軽く“褒章”を突いただけださ」
美鈴は今の僕には敵わないことを本能的に悟ったのか、
「くっ…、卑怯よバカ兄貴! 最低っ~~~!!!」
という捨て台詞を残して、家を飛び出していきました。
「勝った…!」
しかし、勝利の美酒に酔いしれている暇はありませんでした。
「あぁ! もうこんな時間だ!」
時計の針は6時20分を刺していました。僕は急いでご飯を口に注ぎ込み、歯を磨いて、顔を洗って、昨日洗って干しておいた制服を着て、同じく干しておいた白衣を袋に入れて、それを持って家を飛び出しました。

学校の体育館には、もう立花さんが腕を組んで立っていました!
「遅いわよ和也君! 3分の遅刻よ!!」
激しく疲れている僕に、立花さんは容赦ない言葉を浴びせます。
「そんなことを言っても、僕だって頑張ったんだから…」
学校までの道のりを、自転車に乗ってノンストップで走ってきたので、もうクタクタです。
「言い訳は無用よ。さぁ、さっそく始めるわよ!」
「え? 始めるってまさか」
「何を想像してるのよ! 修行よ! しゅ・ぎょ・う!!!」
立花さんに腕を引っ張られて、無理やり体育館に入らされました。

広い体育館の中の中央に、何か記憶に新しいぬいぐるみが一体立っていました。
「よく怖気づかずにここまで来たな和也!」
ここまで堂々としているむいぐるみは他に例がないでしょう。
「エシナ…、今日も偉そうだね」
ピクっとエシナの頬に“怒りマーク”が浮かびました。
「そうかそうか、和也はそんなに厳しい特訓を受けたいのか。うんうん…」
「いや、そんなこと一言も言ってないから!」

視線を体育館の隅に向けると、そこにはラジコンカーが壁を横走りで走っていました。
「お~い、ヴェス君~!」
それがすぐにヴェス君だとわかったので、僕の心の友であるヴェス君をこっちに呼びました。
「わーイ! かずヤッ~~~!!」
ものすごい爆音を轟かせながら僕の方に突っ込んでくるヴェス君!
「ちょっ…、ちょっと待っ、グエフゥッッ~~~!!!」
よりにもよって、ヴェス君は僕の命よりも大事なプレイスに突っ込んできました。僕はその場にうずくまり、この世のものとは思えない痛みにしばらく悶え苦しみました。
「かずヤ~、どうしたノ~?」
人の気も知らないで! でも、ヴェス君には悪気は無いんだということは僕には、よ~く分かるので、許しちゃいます!
「次からは普通に挨拶してね、ヴェス君」
「は~イ」

こんな感じで昨日のパーティーがまた編成されました。ピスタさん(黄色いヘルメット)を除いて。
「さぁ、早速特訓を始めるわよ!」
どこから取り出したのか、立花さんは竹刀を振り回していました。
「つかぬ事をお伺いしますが、その振り回している竹刀で、立花さんは僕に一体どんなことをするおつもりですか?」
立花さんの口元がニヤリと微妙に動きました!
「私が今からこの竹刀で和也君を襲うから」
「ストップ! ストップ! その続きストップ!!」
危ない危ない、もうちょっとで大惨事が起こっていました。
「じゃあ、私が和也君をボコるから」
「さっきとあんまり変わってないし!」
「じゃあ、どうしろっつんだよっ!」
「逆ギレ!? そうやって君は、自分の都合のいい方向に話を持っていこうとするんだねッ!」
「口答えしないでぇ!」

――――――ピッ!

僕の鼻の数ミリ先を、立花さんが横に振った竹刀が通過しました。
「かすった! 今、空気の刃が僕の鼻をかすったよ!」
「特訓って楽しいぃ…」
「目がすわっているよ立花さん! エシナ何とかしてぇッ~!」
しかし、そんな僕の悲痛な叫びも、
「はははっ、追いついてみろ~」
「ま~テ~」
と、追いかけっこをしているエシナには届きませんでした。

「くそっ! こうなったら…、こうなったら…!」
僕は一歩下がってUターン。
「逃げる!!」
そして、体育館の出口のドアまで一目散にダッシュ! 後ろからは「あははっ」と立花さんの声が近づいてきます。僕は急いでドアに手をかけました。すると、

――――――ガラッ!

っと、ひとりでにドアが開きました。
ドアを向こう側から開けたヤツ。それは、
「おっ、なんだ新谷か。こんな朝っぱらからどうしたんだ?」
長谷川でした。
「どどどっ、どうして長谷川がいるの?」
動揺しまくった僕の声を、少し疑問に感じた長谷川でしたが、
「ん? あぁ、俺はバスケの朝練だよ」
長谷川が持っているものを見てみました。なるほど、長谷川はバスケットボールを大事そうに抱えています。

「それよりもお前は何で、…ん? 新谷の後ろにいる女の子は…」
その時、僕の心臓を流れる真っ赤な血液が一気に激流と化し、足に集中してなだれ込んだので、僕は一瞬クラッと目眩がしました。
「あらっ、おはようございます。えっと…、長谷川さんですよね?」
僕はロボットみたいに首を“キリキリ”と後ろに回転させ、後ろで微笑んでいる堕天使さんを見ました。
「こんなに朝早くから練習なんて大変ですね(にこっ)」
立花さんの微笑みアタックに免疫のない長谷川は、あっという間にデレ~と鼻の下を伸ばし、
「いや~、そんなことないさぁ~、はっはっはっ」
と、自慢げに立花さんの術中にはまってしまいました~。
「バスケットの試合頑張ってくださいね」
僕の横を通過して、長谷川の元を訪れた立花さんは、長谷川の手を握り、嘘丸出しのエールを長谷川に送っていました。
「いや~、俺頑張っちゃうよ~。はっはっはっ」

あれ? 立花さんがさっきまで握っていた竹刀は?
その時、僕の頭に何かがパラパラと落ちてきました。何かなっと、ふと上を見上げてみると、
「えぇ!?」
体育館の天井に竹刀が突き刺さっていました!
「どうしたんだ新谷?」
「なななっ、なんでもないよ!」
「くすっ、変な新谷さんですね」
お前のほうが変だよ! っと言いたいですけど、そんなことを言ったら僕は原子レベルまで分解されてしまいそうです!!

「では、私達はそろそろ失礼しますね」
ペコリと長谷川にお辞儀をすると、立花さんは僕の腕をグチッと強く握って、体育館の外へ僕を連れ出しました。体育館の中からは、
「うおぉぉッ~! 練習ッ練習ッッ~~!!」
と、バカの声が響き渡っていました。
「どうするんだ、渚?」
いつの間にか外へ抜け出していたエシナとヴェス君が、立花さんの肩に飛び乗りました。
「う~ん、この場所はあの“ゴミクズ(長谷川)”に取られちゃったから、“ソム”で特訓しよっか?」
「それがいいな」
「そうだネ、そうだネ!」

早速、立花さんの頭の中で長谷川はゴミクズの地位を獲得したようです。しかし、今からソムに行くとなると時間がかかりすぎるような気がします。
「え? 今からソムに行くの? ちょっと時間が足りなくなるんじゃないかな」
僕は特訓を断る口実を見つけました。
「だからさ、今日の特訓はこのぐらいで終了ってことで…」
その時、立花さんは自分のポケットに手を突っ込み、携帯を取り出しました。

――――――ピッ、ポッ、パッ、トゥル~、トゥル~、ガチャッ

どこかに電話しているみたいです。
「もしもし、シパン?」
シパン…。その言葉を聴いたとき、僕の心は、憎悪。嫉妬、殺意、復讐と言った負のエネルギーに満たされました!
「うッ、ぎゃッ、ぎゃッ~~~!」(僕)
「和也が変な言葉を発し、且つ、変な黒いオーラを放っているぞ!」
「ん? とりあえず殴っといてエシナ。 それでねシパン…」
「正気に戻れ! オラァッ!!」
「ハブゥッ~~!!」
するとどうでしょうか。僕の体から黒い禍々しいオーラが抜け出し、それは空に向かって昇天していきました。
「危なかった! もうちょっとで僕は僕じゃなくなっていたところだった!! おのれシパンめ!!!」
人の憎悪とは、これほどまで恐ろしいものかということを、我が身を持って体感しました。
「そういうわけだから、さっきの座標にゲートを作ってね。もし、万が一にでもミスったら、ケーブルを思いっきり踏みつけるからね。うん…、そんなに怖がらなくても良いじゃない。じゃあね」

――――――ピッ!

「よかった、これで特訓が出来るわね!」
本日、最高の笑顔の立花さんがそこに居ました。
「エシナ…、僕が今日という一日を無事に過ごすことが出来る確率は?」
「0%だ」
涙が出てきました。

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