Login

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


”自分に厳しく、地球に優しく” 第1幕

和也の5年前のお話です。
前まで書いていた小説ですが、途中で子猫娘の誘惑に負けて続きを保留にしてしまった作品です。
ちょっとずつ書き直しながら読んでみましたが、やっぱり面白いですねっ! いや、マジで!
今回、リメイク板で堂々と再登場することに決めましたッ!

では、第1幕 スタート!



第1幕  仲良しこよし



2009年5月23日は僕(新谷 和也)にとって最低の日でしたよ…。
どのくらい最低かと言うと、パソコンにコーヒーをこぼしてしまって、まずはパソコンが破壊される。キレた自分がそのパソコンを外に投げ飛ばしたら、偶然、外にいた総理大臣に激突し、「おぅちっ、あの少年をつ~かま~えなさ~いっ」と叫ばれる。そしてエージェントに追われる生活が始まり、僕の人生がズタボロになっていく…。よりも最低ですねっ!
では、僕の苦悩振りをごくと堪能してくださいぃ!



僕の名前は新谷和也(しんたに かずや)。私立萩原中学校の2年生です。5月23日のAM:6時に起床しました。

――――――全身、汗だくで!

理由は簡単です。何故なら、僕の妹がわざわざ早起きして石油ストーブを僕の顔から10cmのところにセッティングしておいたからだぁぁぁっ~!!(キレ気味)

ちょっと呼吸器官が麻痺していて「ヒィ~ス…! ヒィ~ス…!」と呼吸してしまうし、頭もグルングルン揺れている状態ではあるけれど、それを除けば全身の筋肉たちは喜んでいることでしょう。
なぜ妹が犯人だと僕にはわかったのか…。それは、ご丁寧なことに僕とストーブの間に、

「バカ兄貴の最後」

というお札(おふだ)が置いてあったからだぁぁッッ~!(マジ切れ)

僕はストーブの電源を消し、2分間ゆっくり深呼吸してから立ち上がりました。カーテンを開けると、清々しい朝日が僕の目に飛び込んできました。
ふと、前下の道路を見てみるとスズメが3匹「チュン、チューン!」と鳴きながら地面をつついていまいた。鳴き方がちょっと変だと思いました。

「今日も一日平和でありますように」と心の中の神様(白くて長いヒゲを生やした僕)にお願いしながら、2階と1階をつなぐ階段を僕はゆっくりと降りて行きました…。

一階のリビングには、すでに朝食を食べ始めている僕の家族がいました。
父と妹はテーブルに座っていて、母は包丁をヒュン!ヒュン!と回しながら、まな板の前に立っています。驚くことに、空中では次々と野菜が切り刻まれています。

僕の家族は僕も含めると合計4人です。
自宅近くにある“新谷クリニック”の所長であり、ツボ師でもある父の新谷 秋夫(しんたに あきお)、そして、日本という国の至って標準的な主婦であると思われる母の新谷 智代(しんたに ともよ)、そして、僕と一歳違いの妹の新谷 ベルセルク。
…ではなくて、新谷 美鈴(しんたに みすず)と暮らしています。
ちなみに、妹の学校でのあだ名は“ベルセルク”です。顔は悪いというわけではなく、むしろ僕に似ていてイイほうだと思うけど…、性格はまさに凶暴な“野獣”なのです!

「いつからこんなになってしまったのか…」
僕はそんなことを思いながら、飲もうと思ってコップに入れたオレンジジュースを、思いっきり「バッシャァ~~~ン」と妹にぶっかけました。
直後、

「うっぎゃッッ~~~!」   

っと、リビングに女の子らしくない悲鳴があがりました。
オレンジジュースでびしょぬれになった自分の制服を見てから、美鈴はキッっとこちらをにらみつけました。
「何てことするのよ、バカ兄貴!」
すかさず、
「うるさいっ、この兄の命を狙う暗殺者め!」

第45次新谷家大戦の勃発です!
先に核ミサイルを発射したのは美鈴でした。テーブルの近くにいたからです。
手の届く範囲にあったコショウを手に取り、すかさずフタを外して、僕に向かってコショウの黒い粒を華麗に振り撒きました。
僕はその攻撃を予想していたので、先にコップに牛乳を入れながら目を閉じて反撃体制をとっていました。
コショウの集中砲火を全身で受け止めること約2秒。口にためていた息でコショウの霧をなぎ払う僕! (ブフゥッ~~!っとね)
次の瞬間、僕は敵の位置を目で確認し、すかさずこちらも新兵器“白い彗星”を発射しようとしていました。妹は次の武器である“塩塩エンドレス”に手を伸ばしていました。
遅いよ…、僕は白い液体がたくさん入ったコップを妹の方に向けました。っと、その時に予期せぬ第3者が介入してきました。母の智代です!
恐らくは新谷家大戦における最最最終兵器である“包丁”をこっちに投げたのですぅ!

――――――ブゥ~ンッッッ!

その轟音を発生させた包丁は、僕の右耳のすぐ近くを通過して向こうの壁に突き刺さりました! 
その信じられないような出来事に、一瞬で凍りついたのは、リビングにいる者の中で僕だけでした…。美鈴なんてニヤリと微笑みましたからねっ。
「やってやり返されたのだからもうその辺でやめておきなさい。仲が良いにもほどがありますよ」
母が優しい声で言いました。
ふっ、お母さん…。僕はお母さんのその言葉をちゃぁ~んと理解できますよぉ~。
だから、「やられて、やり返して、やられた」のだから次はこっちの番ですよ! ね?

しかし! 母は「石油ストーブで兄貴をやっつけよう作戦」の事件を知りません。
このまま“白い彗星”を発射してしまうと、僕の家族内の評価が下がってしまう…、っていうか、お母さんに殺される!?
しょうがないので右手に持っていたコップをテーブルの上に置きました。
「今日は潔いな」
お父さんは新聞でガードしながら今日の第一声を言いました。
「美鈴とは違ってだんだん大人になっていってるからね。多少のことでは…」

――――――ガスッ!

まぶたでガードされている目ん玉に何かが当たりました。ちょっとだけ涙目になる僕。
「な~にがぁ“大人に”だよ! このバカ兄貴!!」
下で転がっている物はさっきのコショウのフタでした。
「運動神経もトロくて勉強神経もトロいバカ兄貴が“大人”なんて言葉を使うなよ」
僕は怒らないぞ。
「彼女もいないくせにな~にがぁ“大人”だよ!」
僕は怒らないぞぉ…!
「バカ兄貴の人生なんて、そこの牛乳みたいに真っ白だよ!」

僕の脳内の回線が4本ぐらい切れて、目の前が真っ白になりました。

そして、僕の真っ白な人生の象徴である牛乳を美鈴に思いっきりぶっかけました!



空は、もうすっかり明るくなっています。風は少し温かい感じで、もうすぐ夏って感じがして嬉しいです。
僕は四季の中でも夏が一番好きです。何故なら、美鈴は夏が一番嫌いだからです。
現在、AM:7時2分です。場所は萩原市の南側にある萩原山を少し登ったところにある萩原公園です。学校が始まるまではまだ少し時間があるので、僕のお気に入りスポットに入っているこの公園に来たのです。山の上にあるので、来るのに少し疲れました。

やっと着いた公園の中には自分ひとりしかいなくて、周りには誰も見えませんでした。あの後、僕は美鈴が“白い彗星”に絶叫している間に退散を決めました。テーブルの上にあったクロワッサンを素早く手に取って口に咥え、2階に上がって自分の部屋の床に置いてあった制服と鞄と財布を持ち出し、大急ぎで階段を駆け下りました。リビングを見てみると美鈴が台所の蛇口の前で顔を洗っていました。
「余裕、余裕っ」と僕は靴を履き、玄関の扉を開けました。
「覚えてろよぉッ~、バカ兄貴ィィッ~~~!!」
その言葉は毎日聞いているから忘れないよ…、と僕は扉をバタンっと閉めました。

そして、現在は公園のトイレで制服に着替えている最中です。
着替えが終わると急にノドが渇いてきました。家からここまでは自転車を漕いできたし、クロワッサンも食べたし、なによりも起きてから一滴の水分も採っていないからです。
でも、ここの蛇口で水を飲むのには少し抵抗がありました。
「仕方ないな、ジュースでも買おっかな」
公園内にある林の向こう側に設置されている、ここで唯一の自動販売機まで歩いていきました。周りには誰もいません。。
「やっぱり今はポカリに限るなぁ~」
と、独り言を言いながら100円玉1枚と10円玉2枚を自動販売機に贈呈しました。周りには誰もいません。
ポカリのボタンを押すとすぐに下の取り出し口から「ガシャン」という音が聞こえました。他には風の音しか聞こえません。

僕は、しゃがんで取り出し口からよく冷えたポカリを取り出しました。目の前からは「カシャン」という缶を取り出した音が聞こえ、上からは「スタッ」という何かの着地音が聞こえました。

ふと…、顔をあげて上を見てみると自動販売機の上に何かがいました。

それは…、ライオンとタヌキを足して2で割ったような茶色をしたぬいぐるみでした。
恐らく、「これは何ですか?」と100人に聞いて99人はぬいぐるみと答えるでしょう。残りの一人は美鈴みたいに「サンドバック」と答えるかもしれません。今ヤツはいないけど、多分そう言うに違いないと思います!

さて、思考回路を接続し直してちゃんと考えてみますね。まず、これはぬいぐるみです。間違ありません。しかし、「スタッ」という音をぬいぐるみが出せるのでしょうか?
でも、現に今このぬいぐるみは二つの足で立ったままじっと上から僕を見下ろしています。あれ? 
おかしいな。ぬいぐるみが立って僕を見下ろしている…。いやいやありえないからと、自分に言い聞かせもう一度上を見てみます。やっぱりコレは二つの足で立って僕をじっと見下ろしているぅぅッ~!

僕が右に体を移動させると、コレは視線を動かして僕の動きについて来ます。僕が左に移動すると、またコレは視線を動かして僕の後について来ました。
偶然じゃない…。いや待てよ? 
僕は思いました。コレはラジコンじゃないのかと。どこかで誰かが隠れていて僕の行動を楽しんでいるのかもしれません。きっとそうだ、僕はそう確信しました。
しかし、最近のラジコンはここまで進化したかぁ~っと思うほど、コレは良い出来ばえですよ!
「まさか着地がここまでうまくできるようになるとは夢にも思わなかったよ~」
と、このぬいぐるみに感想を言ってみました。でも、相変わらずコレは無表情ですね。あっ、ぬいぐるみだから当たり前か。
「さぁってと、早いけどそろそろ学校に行こうかなっ」
僕は、そう言って後ろに振り返ろうとしました。しかしその時、唐突にそのぬいぐるみの口が少し開きました。

「おい…」

見つめ合う僕達。しばしの沈黙…。30秒後。

「あのな…」

にらみ合う僕達。しばしの沈黙…。10秒後。

「ジュースなんて買うな、ボケがぁッッッ~~~!!!」

飛び掛ってくるぬいぐるみ!!!

「ぬっ…ぬいぐるみが普通にしゃべったぁぁぁッッッ~~~!!!」

そして、僕は現実から逃げ出すために、気を失ってしまいました。

スポンサーサイト


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

この記事に対するトラックバック

トラックバックURL
http://i375ns.blog51.fc2.com/tb.php/12-bcb1e83b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。