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”ツンデ・レデン・刹ッ”の第20幕

ん~っ、楽しくなって参りました~~~♪

でも、小説って話が進むの遅いですよね~。

細かい描写とか、心の内とか、全て省いてセリフだけで小説というモノができればぶっちゃけ『楽』ですね~。まぁ…、作者だけはセリフだけで分かりますけどねッ!!!

ここまでで180ページ…。この調子で後2倍書いても…、この話は終わらないッ! 人の夢は終わらねぇ!

では、

”ツンデ・レデン・刹ッ”の第20幕  可決


スタート!



第20幕  可決



鈴虫が鳴くのを止めた時期…、そんな肌寒い秋のお昼時の校舎横では…、誰もが聞いたことがある無機質なメロディーが流れていた。

――――――モエ~…、モエ~…

1回2回…、そして3回目が聞こえるかといったところで、

――――――「ワシじゃ」

繋がった。
「おう、何だか久しぶりだなクソジジィ」
3日ぶりといったところか。
「ふむ…、相変わらず礼儀というものがなってないのぅ」
そう、この電話の相手はクソジジィ。名前は確か…、相良 龍之介っつたか。
気に入らないやつだが、俺に負けず劣らずのエロ猛者だ。しかもこの国の総理大臣。簡単に言えばこの国一番の権力者ってことだな。と、言うことは、

「おいクソジジィ、頼みがある」
「ほう…、聞こう」

俺は電話をしつつ、マドフェフカとその執事の動きを警戒していた。特に注意が必要なのはあの執事。只者じゃない。今だって俺に凄まじい闘気を放ってきていやがる。常人ならこの闘気だけで気絶してしまうだろう。だが、俺には効かんッ!
「何が何でも必要なことなんだ。絶対成功させてくれよな」
「早く用件を言わんかい」
電話の向こう側が少し騒がしい。どうやら今日のクソジジィはちゃんと仕事をしていて忙しいようだ。クソジジィの声にも少し疲れが含まれていたような気がする。
「誰に電話しているのでしょうカ…?」
執事の後ろにコソコソと隠れているマドフェフカはただビクついているだけだったが。
「それは分かりかねますが、気を抜かぬことです」
まるでマドフェフカを守るナイトと化した執事だけは油断なら無い。いつ俺のスキを突いて飛び掛ってくるか分からない状態だ。だから俺は手短に言うことにした。

――――――「『この国の学校で開催される学園祭では、必ず1つクラスは“メイド喫茶”を行わなければいけない』と言う法律を作ってくれないか?」

「…ほう」
電話の向こうからはクソジジィのうなずく声。
「な…」
マドフェフカからは、
「何ですっテェェェッッ~~~!?」
金きり虫が悲鳴を上げたような奇声が聞こえてきた。
「むっ? 気のせいかの…、なにやら騒がしい声が聞こえたぞい?」
「いや、何でもない。それより…」
「うむ…、分かっておる。任せておけ」
「…理由は聞かないのか?」
「理由が必要なのかな?」
即答だった。そうだ、理由なんて…、無いに等しいものだったな。つまらないことを聞いてしまった。済まんなジジィ。
「感謝するぜ………、総理大臣さん」
「急に気持ち悪いヤツじゃのう…」
「うるせぇよ! それよりもなっ…」

――――――ドゴォッ…!

…何の音だ?
「グフゥ…!?」
何だッ!? いてぇ! 何をされたんだ俺はッ!? 
「総理大臣ですと…?」
声。すぐ側から。いや…、目の前から…。
「ガハァッ!」
腹から何かの異物が抜け出た。それと同時に吐血。
「今…、総理大臣と仰いましたかな?」
返り血を浴びた鋭い眼光。そしてそれよりも赤く血に染まった手。型は抜き手。指全体が赤い。その手の主。
「くっ…、てめぇ!」
よろけながら一歩後退した俺様は見た。
白髪を後ろで綺麗にまとめたオールバック…、その恐ろしいほど決まっている髪型と、それ以上に恐ろしく決まっている執事服を着た男を。
「なにしやがるッ」
腹を手で押さえながら必死で執事を睨みつけたが、
「質問をしているのはこちらですよ」
この野郎は俺以上の眼光で睨み返してきやがった。
「…じぃや…?」
向こう側の草むらからこっちに歩み寄ろうとしていたマドフェフカは、異様な光景が信じられないのか、ピタリと足が止まった。
「すぐに済みますよ、お嬢様」
執事はマドフェフカの方に顔を向け、優しく優しく赤ちゃんをなだめる様な母親のように言った。だが、すぐにまた俺の方に顔を向き直した。俺を見るコイツの顔は、恐らく今マドフェフカを見たときの顔とは180度違うものなんだろうな。

――――――「…和也…おい…どう…た…」

耳から話してしまった携帯から声が聞こえる。俺は急いで携帯を耳に当てた。
「いいかクソジジィ! 明日までに法律作っておけよッ! じゃあなッ!」

――――――プツッ…、プー…、プー…

「何じゃ…、切れてしまったぞい」
いきなり掛けてきていきなり切りおって…。何かと騒がしいヤツじゃのう。
「それにしても…」
何やら周りが騒がしかったようじゃ、それが少し気になるのう…。

「総理ッ、大事な会議の発表中に電話とは何事ですかッ!」

はぁ…、やかましい声が飛んできおったわい。
「済まんのう…、緊急事態じゃったんじゃ」
ここは国会議事堂。この国の唯一の立法機関じゃ。国民の代表である国会議員たちが日々議論を交わす場所。ワシは今その中心に位置する発言台に立っておる。和也め…、わざわざこんな時に電話してくるんじゃないわい…。じゃが…、
「皆の衆! 緊急事態じゃ!」
今はそんな堅苦しい話をしている場合ではない。
「ど…どうされましたか総理?」
目の前に腐るほどいる議員たちの声が、0.5オクターブほど高くなった。
「急で悪いんじゃが、今から新しい法案を発表する」
「えっ? さっきまで議論していた『自衛隊民営化』に関する新案はどうするんですか?」
自衛隊を民営化するという案じゃったな…。確かにこれも重要な案じゃが、
「そんなものよりももっと重要な内容じゃ! 皆の衆、心して聞けぃ!」
『ははーっ!』
皆すぐに理解して大人しくなってくれたわい。それで良いのじゃ。
ワシは発表台の上に両手を置きながら、軽く息を吸い込んだ。
「おっほん…、これより『我が国の学校で開催される学園祭では、必ず1つクラスは“メイド喫茶”を行わなければいけない』と言う法案に対して議論を行う」
刹那、

――――――『ウォォォ~~~!!!』

男達の歓喜の雄たけびで国会議事堂が揺れた。ここで緊急ニュースじゃ。

「皆さん! 国会議事堂前から緊急報告をお知らせします。先ほど入った情報によりますと…、国会内のテンションが温帯低気圧から暴風雨へと急変した模様です。これから先、一体何が起こっても不思議ではありません。自衛隊の民営化に関する法案は可決されるのでしょうかッ? だがしかし、我々は国会の外でじっと待ち続けるしかありません。…以上、国会前から渡辺がお送りいたしましたッ!」

ニュース速報終了。話は国会内に戻る

え~…、そうそう。皆がとっても喜んでくれたんじゃ。
「皆の衆…」
ワシは…、こんなに有能な者たちに囲まれて…、幸せ者じゃのう…。
『それで、詳しくはどういった内容ですかッ?』
議員皆の心が1つになっておる。
「ふむ…、言葉の通りじゃ。学園祭では必ずメイド喫茶をしなければならない。そのままの意味じゃ。じゃがしかし、問題も発生するじゃろうな」
「例えばどのような問題が発生すると考えられますか?」
今、口を開いたのは今年当選した若手議員。新人のくせになかなか度胸があるわい。
「うむ、例えば…、男子校の場合はどうするか」
「なるほど…」
これは違う議員。今年で当選7回目のベテラン議員じゃ。
「しかし、男子校でも考え方によってはできると思われます」
「ふむ…、申してみ」
そのベテラン議員は意気揚々と立ち上がり、そして凛々しい表情で。
「私は男子校出身だから分かるのですが、どこの男子校でもカワイイ男子はいるものです。よって、そのカワイイ男子生徒が女装し、メイドになることによってメイド喫茶をすることは可能かと思われます」
「なるほど…、貴重な意見感謝する」
「恐縮です」
頭を下げながらそやつが席に座ると、先ほどまでうるさかった皆が静かになった。恐らく今、彼らの脳内の中ではメイド服を着たかわいらしい男の子が転んでしまって、「あわわっ、すいません。ただいまお拭きいたします」とキラキラ純粋な視線を…。
「総理ッ」
威勢のいい掛け声が聞こえた。
「な…何じゃ」
静寂からの帰還。ワシを中心に円陣を組んでいる周りの連中から騒がしい声が聞こえてきた。ふぅ…、何とか皆の意識が回復したようじゃの、ワシを含めて。
「はっ、総理ッ、メイド喫茶の衣装には規制をかけるべきだと思われます」
テンションが一気に低下する提案ありがとう。お主は真面目じゃのう…。まぁ…、
「うむ…、規制をかけるか…。やむ終えないことじゃのぅ…」
ワシはこの道に入って長い。このような法律には規制が必要ということは経験上理解している。じゃが、ここにいる議員の約半数はこのことを理解しておらん。ほれ、この通り。

「何を言っている貴様ッ! 死ねッ!!」、「そうだッ! 規制なぞいらないではないか」、「いや、必要かもしれないぞ」、「自由が一番だ」、「いや、暴走する可能性もある」。

周りの連中は鬼と化し、それを宥める者たちも声を荒らげているのでものすごく騒がしくなった。仕方ないのぅ…。
ワシは肺に空気が満タンになるまで吸い込み、
「静まれぃ、皆の衆!!!」
喝を入れた。
「落ち着いて考えようではないか…」
先ほどまでの熱い話し合いがワシの喝で嘘のように静まり返りおった。これでまともな議論ができるわい。さて、先ほど発言した者は…、あやつか。
「今、発言したお主は何故に規制が必要だと思ったのかね?」
その議員と目が合うと、その者はすぐに立ち上がった。そしてグルリと全議員に一通り目を合わせた後、はっきりとこう述べた。
「はっ…、規制が無ければ言わゆる『萌え暴走』が起きることが予想されます」
「ふむ…やはりのぅ…」
ワシはちゃんと分かっておった。
『萌え暴走』…、こればかりは起こしてはならないファクター。人の欲望の成れの果てが行く着く先じゃ…。

「よしっ、ではどの程度の規制を課すのがベストであろうな?」
「それは…、私には決めかねます」
そう言って悔しそうに顔を顰めた後、そやつは肩を落として座った。そう…、こやつも悔しいのだ。こんな素晴らしい法案に規制をかけなければいけないこの世の中に。
「そうか…、では他の者の意見はないか?」
ワシの質問と同時に皆は唸って黙ってしまった。じゃが、悪い傾向では無い。これは皆が少し冷静さを取り戻したと言うことじゃ。ほれ、今の皆の態度を見れば分かるわい。先ほどとはうって変わって真剣な面持ちで考えておる。熱気は薄れてはいたが、それ以上に皆の表情が生き生きとしておる。自分たちの性分を思い出したのであろう。国の代表としての責任感を。

「総理ッ、宜しいでしょうか?」
「うむ、申せ」
そしてまた新たな議員が立ち上がった。
「自分が考えますに…、メイドを決定する要素は2つ。メイド服とカチューシャです。規制としては、これらの要素数をこれ以上増やすべきでは無いと自分は考えます」
なるほどのう…、王道のメイドさんしか認めないということか…。じゃが、
「え~、ネコミミは~?」「シッポは~?」「ムチは~?」
と、各議員から不満そうな怒号が飛んできた。
「皆の者、静まれぃ! ワシが話すッ!」
『はっ、申し訳ございません!』
男達の口から中途半端な合唱団よりも遥かに素晴らしいハモリが国会内に流れた。それは心地よいメロディー。癒しの音。ここまでハモれるのも珍しいのぉ…。
おっと、感心しておる場合ではない。ここからが大事じゃ。

「いいか皆の衆。ワシが思うに要素数はあまり重要ではない。重要なのは…、人肌隠れ面積率とオプション危険レベルじゃ!」
『なるほど~』
皆が一様に頷いた。しかし一人だけ、
「申し訳ございません総理。人肌隠れ面積率と…オプション危険レベル…、とはどの様なモノでございますか?」
ワシの言ったことを理解できないものが居た。まぁ、しょうがないと言えばしょうがない。こやつは新人じゃからの。これから理解すれば良い。ワシは優しいのじゃ。

「うむ…、人肌隠れ面積率…、これは文字通り、肌をメイド服がどの程度覆っているかを示す指標じゃ。」
「なるほど…」
新人は熱心に今の内容をメモに書き写しておる。
「ワシが思うに…、メイドさんと言うものは神聖なモノじゃ。神聖レベルで表すなら巫女さんにも匹敵する勢いじゃ。じゃから人肌隠れ面積率は80%以上を推奨しようと考えておる。皆の衆、これに異論はあるかのう?」
『全くございませんッ!』
「宜しい」
これで一つ目が決まったのぅ。

規制其の一:メイド服着用に於ける人肌隠れ面積率は80%以上でなければいけない。

「次は、オプション危険レベルについてじゃ」
「はいっ!」
新人がメモ用紙を構える。
「ここで言うオプションとは、付属品の事じゃな。例えば王道の“カチューシャ”や、最近人気が出てきた“ネコミミ”じゃのぅ」
「なるほど…、装備品のことでしたか」
「うむ…、おぬし達の年代にはそう言った方が分かり易かったかの」
「いえ、自分の勉強不足です。申し訳ございませんでした。…しかしまだ分からないのは“オプション危険レベル”です。これは一体…」
「それは僕が説明して差し上げよっかっ♪」
新人の話が断ち切られた。見れば、口元に手を当てている少女が立ち上がって嬉しそうに笑っていた。
「総理ちゃん、宜しいかなっ?」
ショートでもロングでも無い長さの髪の毛。その両端をリボンで括り、淡いピンク色のスーツを普通に着こなす少女。彼女の目にかけてある細いメガネは知の象徴。異様に小さい体格を持つその者は、
「ふむ、良かろう…。話してやってくれ“美仏クン”」
天才と呼ばれる政治家“雲水 美仏(うんすい みほと)”。ポストは環境大臣。年は15歳。すでに政治家歴5年のベテランじゃ。本来なら25歳からでないと政治家にはなれぬが、美仏クンは特別じゃった。彼女は…、天才なのじゃ。ワシの後釜はこの者しかおらんと思っておる。

「承知しましたっ♪」
メガネを<クイッ>と上げなおした美仏クンは、その小さな胸をピンと張り、いつものように楽しそうに話を始めた。
「オプション危険レベル…、これを制定したのは僕なんだよね。主にこの数値は萌えの限界ラインを表すときに使用するんだよ。オプションとは装備品のこと。さっき総理ちゃんが言ったように、代表的な物にカチューシャ、最近人気が出てきた物としてはネコミミがあるよね。簡単に言うと、オプション危険レベルって言うのは、これら装備品の危険度を示す指標なんだよ。でもまぁ…、この指標は環境庁の極秘データベースで管理されているから普通は見れないんだよね~。…だっけっどっ、僕は環境大臣なので少しだけ教えちゃいますっ♪」
ここで美仏クンが新人に殺人ウィンク。そのフレッシュアタックに新人はその場でガクガク振るえ腰を落とした。
美仏クンの話は続く。
「僕が作成したこのオプション危険度のデータによると、オプションが単体の状態で存在している場合は何も問題は無いんだよね。カチューシャが単体で存在している場合の危険度は、たったの“5”。この値だったら全く危険は無いんだよ。だけど! 真に恐ろしいのは“コンボ”。つまり“組み合わせ”なんだよッ!」
ここで全体の約30%の経験豊富なベテラン議員たちが美仏クンの話に同じように頷いた。じゃが他の者達は首を傾げるだけ…、これが新人とベテランの差じゃ。

「カチューシャの危険度は“5”。だけどメイド服と合わせることによって数値は何と“100”までグレードアップしちゃうんだよ。この数値は小さな町を支配することができるほどの大きさなんだ。さらにこれにネコミミが加わると“150”。シッポまで加わると一気に上昇して“250”。ここまで来ると小さな市は支配され、人々は堕落し職を辞める人まで出てきちゃうよ。あっ、ちょっと休憩ね」
テーブルの上に置いてあったオレンジジュースが、あっという間に美仏クンのノドを通って消えた。
「あーっ、スッキリっ♪」
飲料水のCMにも出れそうな清々しい笑顔のまま口元を手の甲で拭うと、美仏クンは少しズレて落ちかけたメガネをかけ直した。そしてまた楽しいそうに話し始めるのじゃ。

「だからと言って何でも組み合わせれば良いって話では無いんだよね。例えば、巫女服とカチューシャを組み合わせても何だか中途半端になっちゃって、危険度がたったの“30”。巫女服元々の危険度よりも下がっちゃうのよ」
この瞬間、国会内にペンが走る音が反響した。何故なら、今の情報をほとんどの議員達がメモしておるからじゃ。さすがの皆もここまでは知らなかったようじゃの。ん? あぁ…、もちろんワシはとっくの昔に気づいておったぞ。ワシを誰じゃと思っておる。
順調に美仏クンの話が続いている最中じゃが、気になることがあった。それは時間じゃ。ワシの目に映る自慢の腕時計が示す針は。
「むっ?」
思ったとおりじゃ。時間があまり無い。早く法案を通して裁判所に提出しなければ明日までにこの法律を制定することなどできなくなってしまうではないか。和也は言った。「明日までに作っておけ」と。約束を破るわけにはいかぬ。それに応えなければ男ではないのじゃ。もっと美仏クンの話を聞いていたいが…、和也め、ワシに感謝しろ。

「…つまり、危険度が…」
「あ~、美仏クン。もうその辺でもうよい」
“が”の口を開けたまま、カラクリ人形みたいに首をかしげた美仏クンは、
「え~、もうですか~?」
子供のように駄々をこねた。まぁ、実際まだ子供なんじゃから当たり前か。
「うむ、時間が無いのじゃ」
こんな理由で最高の演説を中断させるのは心が痛むのぅ。じゃが、美仏クンは理解が良い少女。
「ん~っ、総理ちゃんがそう言うなら仕方が無いなっ♪」
この通り素直に言うことを聞いてくれるのじゃ。
「みんな、今日はこの辺にしておくねっ。以上でオプション危険度について説明を終りますっ♪」

美仏クンがペコリとお辞儀した途端、皆から盛大な拍手が送られた。
「ありがとう。みんなありがとう」
それに応えるために可愛らしいお辞儀を繰り返していた美仏クンじゃったが、しばらくすると疲れて座ってしまった。
「うむ、美仏クン、大儀であった」
さて、次はワシの出番じゃ。議員共をまとめるのがワシの仕事。
「皆の衆ッ!!!」
『はっ!』
全議員はすで一致団結。皆は1人のために、1人は皆のために状態じゃ。下を向いている者など1人もいない。皆がワシを見ておる。誰もが真剣。誰もが自分の使命を忘れてはおらん。立派な部下たちじゃ。こんな者たちを見ていると泣きそうになるのぅ…、じゃが、干渉に浸るのはやることをやってからじゃ。
ワシは落ち着くために目を閉じ、そしてゆっくりと開いた。ここは国会議事堂。そしてワシは総理大臣。皆を引っ張るのがワシの仕事。なんだか…、勇気が湧くのぉ。
口が自然に開いた。
「美仏クンの話でオプション危険度が如何に重要な要素かを皆に理解してもらえたと思う。本来なら、皆と相談しあって今回の法案における“オプション限界危険度”を決めなければいけないのじゃが、残念なことに時間が無いのじゃ。明日までにこの法案を作らなければいけないのじゃ。詳しいことは話せぬが、どうしても明日までに作りたい。じゃからワシが1人で“オプション限界危険度”を決めたいと思う、皆の衆…、宜しいかの?」

――――――ざわざわがやがや…!

当然のように騒がしくなった。皆が動揺しておる。いや、きっと怒っておるのじゃろう。こうなる事は分かっておった。こんなこと…、独りよがりの勝手な言い分じゃ。総理大臣失格じゃなワシは。ほれ、見てみぃ、相良龍之介。誰もが怒って…。

――――――『はいっ、総理が決めてくだされッ!』

時間が止まったような感じがした。
「い…いいのかのぅ?」
声が裏返ってしまった。それぐらい驚いたということじゃ。
「もちろんだよっ♪」
裾が引っ張られた。横を見ると、美仏クンがニコニコ大会で大賞を受賞した時よりもさらにニコニコとした笑顔で立っていた。
「だって、総理ちゃんだもんっ。他の誰でもない、総理ちゃんが決めるんだからきっとそれが一番だよっ♪」
続くように、
『我々も総理を信用しておりますッ!!!』
本当に嬉しい言葉が聞こえてきた。思った。ワシは…、この国の総理大臣で…、本当に…、良かった。
「皆の衆…」
何故か視界がぼやけてきおったわい。
『総理ッ、総理ッ、総理ッ、総理ッ…!』
突然の総理コール。
「総理っ♪ 総理っ♪」
横からも聞こえてきおった。
ワシは…、今ここに宣言する。必ずこの者たちを…、この国を守って見せるとッ!!!

「では、発表する! “オプション限界危険度”は…」

すぐに歓声が沸いた。
その歓声の中、ワシは目を閉じ、重ねた手を胸に当てて念じた。

「(和也よ…、お主との約束は守れそうじゃ。必ず明日までにこの法案を制定させてやるからのぉ。楽しみに待っておってくれ。お主が何故この法律を必要になったかは知らん。じゃが、必要なんじゃろ? じゃからワシは頑張れる。お主という希望がいるからじゃ。この国を…守ってくれよ)」

ここは日本を守る砦。其の名も『国会議事堂』。日本のことを一番に考えるものたちが集う聖なる場所。ワシが居たいと思える場所じゃ。この国に…、幸あれ。



「緊急ニュースですッ! 何とッ! “自衛隊の民営化”に関する法案は却下ッ! 代わりに…!」

そして歴史が動き始めた。




(次回予告)

デレ男「ツン子ッ! 待ってくれよッ!」
ツン子「遅いッ! ほら早く乗って」
デレ男「えっ、どこに?」
ツン子「決まっているでしょッ! 背中よ背中ッ!」
デレ男「結婚しよう」
ツン子「当たり前でしょ、バカッ!!!」

さぁ! 和也の運命やいかにッ!?(苦情は一切受け付けませんwww)

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この記事に対するコメント

ネコ耳メイド+尻尾は、漢のロマンじやないのk…

自衛隊民営化って…w

【2006/06/29 12:41】URL | きつねこ #-[ 編集]

>きつねこさん

ネコ耳+シッポのメイドさんの危険度は”250”
この程度なら許容範囲に収まっています。
だがしかしッ!
もしも危険度が”1000”を超えるような事態が起きてしまったら…、世界は………。

自衛隊民営化反対~♪

【2006/06/29 15:52】URL | シミコン #-[ 編集]

この国の未来は・・・きっと大丈夫ですねw
露出度が高すぎるのは問題ありだし、その辺よく分かってらっしゃる。( ̄ー ̄)

にしてもこの総理・・・一応はまじめに職務を果たしてたんですなw

【2006/06/30 09:01】URL | ふぉくしーすらい #GWMyNl/.[ 編集]

>ふぉくしーすらいさん

こんな総理大臣に…、僕はなりたいッwww

メイドさんの場合だけ、露出度が高すぎるのが問題有るんですよ。メイドさんは神聖なものなのですッ!
まぁ…、それ以外の衣装なら、人肌隠れ面積率がどんな値になってもOKですっ♪

今回の話では、重要な法案を審議しなければいけなかったので、しょうがなくクソジジィも仕事していたんですよっ☆

【2006/06/30 12:35】URL | シミコン #-[ 編集]

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