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”ツンデ・レデン・刹ッ”の第11幕

今回の話を書いていて、僕はちょっと泣いてしまいました。
僕はこの話のキャラのことが大好きです。みんな好きです。
和也の悲しみ、苦しみ、僕だったら耐えられませんね。和也、お前はすごいヤツだ…!

まぁ、和也の5年前の話。
今書いている話の5年前の話を、僕はずっとほったらかしにしているんですけど、先に未来の話を書いているなんてダメですよねぇ…。しかも今回の幕でちょっとだけネタバレしているような気もしますからね~。

うぉぉぉ~、どっちを先に書けばいいんだぁ~!?


では、第11幕 スタート!



第11幕  俺が俺であるために



「お風呂に入ってくるニャ~」
「あぁ…」
「覗いたらダメだからニャ~!」
「あぁ…」
「レデン、今服を脱いでいるニャ~!」
「あぁ…」
「ニャ~! レデン今裸ニャ~!!」
「あぁ…」
「ターザンの叫び声は何ニャ~?」
「あぁ…」
「ちょっと違うニャ~! ア~アアァ~ッニャ!」
「あぁ…」
「………バカァッ!」

――――――パタンッ

そして、レデンの声が聞こえなくなった。代わりにお風呂に浸かる音が聞こえた。

「学校か…」
布団に寝そべりながら、天井を見て昔を思い出す。
「5年か…」
そう。そんなにも時間が経っているんだな。
「俺は…」
どうすればいいんだ? なぁ………さん………。
「俺は…」
急に涙がこぼれてきた。止められない。悲しくて、涙を止められない。
「まだ…、忘れられないのか…」
今まで必死に生きてきた。いや、必死に忘れてきた。

口調を変えた。自分のことを言うとき、僕から俺に変えた。
敬語をやめた。誰かの名前を呼ぶときは呼び捨てにした。さん付けで呼ぶなんて寒気がするぜ。
性格を変えた。いつでも強気でいるようにした。弱気になるなんて、恥ずかしくて死にそうだぜ。
学校を辞めた。今まで一人で生きてきた。誰の力も借りずに、一人で。一人で生きてきたんだよっ!

「俺は…」
手が涙でびしょ濡れだぜ…。
「まだ弱いのか…」
自分は強くなったと思っていた。
「まだ変わっていないのか…」
自分が変われば、自然に忘れられると思ったのに…・
「まだ忘れられないのか…」
胸が締め付けられる。あの思い出が心の奥底で爆発し、俺の心を圧縮しているようだ。

――――――ズキンッ

「…さん?」
ふいに、俺の心に亀裂が入ったような気がした。
その瞬間、

――――――「和也君っ、ちゃんと私の後について来なさいよっ」(?)

――――――「でも…さん。僕もうクタクタだよ…」

――――――「なに弱気なことを言っているのよっ! ほらっ、ビシバシいくからねっ!」

――――――「うわぁぁぁ~ん!」

「はっ」
目を開ける。
「今のは…」
心の奥に押し込めていた昔の記憶…。
あの子との…、思い出の記憶。
「うっ」
頭が割れそうに痛い。また! 何かが聞こえてくるッ!

――――――「…和也君…?」(?)

――――――「そう、僕だよっ、…さん!」

――――――「何で泣きそうな顔しているのよ?」

――――――「泣いてなんかいないよっ!」

――――――「そう…、よかった…」

――――――「僕のことよりも、…さんがっ!」

――――――「私の心配するなんて、まだ早いわよ和也君…」

――――――「もう無理だよっ、逃げようよっ」

――――――「あの人を止めないと…、結局は皆が死んじゃうのよ」

――――――「先に…さんが死んじゃうよっ、さぁ! 早く逃げ…」

――――――ドゴッ

首の後ろに強い衝撃が響いた。

――――――「…さん?」

気が遠くなった。

――――――「和也君…」

僕と同じ年の女の子の顔が目に映った。

――――――「今まで…、こんな私と一緒に居てくれて…ありがとう」

その子の笑顔は綺麗だった。
そして、崩れていく学校に向かって、その子は一人で走って行った…。

――――――「僕が弱いから! …さんが一人で行ってしまったんだ! 僕は…僕が嫌いだ! こんな僕なんて、消えてしまえばいいんだッ!!」 

そこで思い出は途切れた…。


――――――「ご主人様?」

気がつくと、レデンがバスタオルを頭に巻いてドアの前に立っていた。
「泣いているのニャ?」
ピンクのパジャマを着たレデンが俺の横に座った。
「泣いてなんかいねぇよ」
俺は、レデンに顔を見られないように顔を隠しながら立ち上がった。
「さてと、俺も風呂に入るか」
ドアノブに手をかける。

――――――ギュッ

「んっ?」
後ろから誰かに抱きつかれる。
「レデン…?」
俺の腰に、レデンの細い腕が回されていた。
「レデンじゃダメかもしれないけど…、今だけはこうした方がいいと思ったんニャ」
腕に強く力が込められた。
「済まないな…」

俺たちはしばらく立ち尽くした。
静かな時が流れた。
レデンの心臓の鼓動だけが、俺の世界に響いた。

――――――トクントクントクン…

俺の鼓動とレデンの鼓動。二つの鼓動が一つに重なったような気がした。
落ち着く。癒される。俺が俺でいられる…。

「レデン…」
「なんニャ?」
ピクンとレデンの腕が震えた。
「もう…大丈夫だ」

腕が離れた。
暖かい物が去っていくような余韻が残る。
「ご主人様…」
「どうした?」
俺は後ろに振り返った。

「レデンの入った後のお風呂で変なことしたらダメだからニャっ」
そこには、レデンの笑顔があった。
「プッ」
ダメだ。笑いが吹き出してしまった。
「何で笑うニャ!」
レデンは怒った。
「いや、何でもねぇよ」
俺は笑った。
「やっぱり変なご主人様ニャっ」
怒って、ベットの上に飛んで行ってしまった。
「さてと…、レデンの入った後のお風呂のお湯でも飲もうかね…」

――――――バタンッ

ドアを閉めた。
「絶対にダメニャァァァ~~~!!!」
レデンらしい叫び声が響いた。

俺は、今閉めたドアを見つめ、
「…ありがとうレデン…」
自分にしか聞こえない、小さな声でつぶやいた…。

――――――チャプン…

「ふぅ…」
いい湯だ。心も体も温まる。
体と頭を無心で洗い、もう一度湯に浸かった。

「ふぅ…」
俺は…、
「やっぱり…」
ユラリユラリと揺れる波紋を見ながら思った。
「こんなの俺様らしくねぇ…!」
波紋が激しく振動した。俺がお風呂のお湯で顔を勢いよく洗ったからだ。
「ウジウジしやがって、何様のつもりだ、俺!」

――――――パァンッ

右手で自分の頬を叩いた。

「レデンに心配されてんじゃねぇよ!」

――――――パァンッ

左手で自分の頬を叩いた。

「俺は黙って俺らしくしていろっ!!」

――――――パァンッ!

両手で顔面を思いっきり叩いた。

「………痛い」
少しだけ涙目になる。
「だが…うぉぉおぉおおぉぉ~!!」
気合十分だ。
「俺様、復活だぜっ!」
立ち上がり、両手を掲げてガッツポーズを取った

――――――ドタバタドタバタッ!

「ん?」
慌しい足音が近づいてくる。

――――――ガラッ

「何かあったんニャッ?」
レデンに俺の後ろ姿が見られている…。
「レデン喜べッ!」
俺はレデン側に向いた。
「ニャァァァ~~~!」

――――――ドタバタドタバタッ

足音が遠ざかっていく。
「俺様は復活したからなぁぁぁ~~~!」
レデンに聞こえるような大きな声で叫んだ。
「俺は俺だぁぁぁ~~~!」
何回も繰り返して叫んだ。そう…、俺は俺なんだ。もう…、僕じゃない。昔の自分じゃないんだ。


「1回死ねニャッ!」
「はっはっはっ、まぁ気にするなっ」
今は夕食中だ。
「どうかしたの、レデンちゃん?」
何故か美鈴もいる。
「さっきご主人様が、レデンにとんでもない物を見せ…」
「レデン、そこのソースとってくれ」
「えっ、はいどうぞニャっ」
レデンからソースを受け取った。
「うむ、ありがとう」
今日の夕食は美鈴が作ってくれた豚カツだ。
「うん…、今日の飯は最高にウマイなっ」
ガツガツと飯と豚カツを口に放り込みながら食べた。

「えっ、そうかな?」
美鈴が少し照れくさそうに顔を赤らめた。
「あぁ、お前の料理は最高だぞっ」

――――――ボンッ

「美鈴さんの顔が爆発したニャッ!!」
「大丈夫か美鈴っ!?」
俺とレデンが美鈴の様子を伺う。
「ちょっと…、タバスコをかけ過ぎたわ…」
「豚カツにか…?」
そもそも、タバスコなんて物はテーブルの上に存在していない。
「私の好物なのっ」
そして、美鈴は下を向きながら、黙ってまた食事をし始めた。
「そうか…」
俺とレデンも食事を続けた。ふぅ、なんとか危険を回避できたようだ。危なかったぜ。

「あっ、そうだ美鈴」
びくっと美鈴の肩が震えた。
「な…なに?」
何故、上目使いで俺を見る?

「食事が終わったら、レデンと俺は出かけるからな」
「えっ、そうなんニャ?」
レデンは口の中をいっぱいにしながら、一生懸命に答えた。
「…どこに行くの?」
いつも道理の美鈴がそこにいた。

「…萩原学園だ」

――――――カシャン…

「あっ」
美鈴は手に持っていた箸を床に落とした。
「なにやってるんだよ」
「ほっといてよ」
美鈴は落ちた箸を拾うと、キッチンでそれを水洗いし、タオルで拭いてからこっちに戻ってきた。
「ちょっとだけびっくりしただけよ」
そう言ってまた食べだした。

「…何も聞かないのか?」
箸を動かしていた美鈴の手が止まった。
「聞く必要がないわ」
美鈴の瞳が俺の目を見つめる。
「これはバカ兄貴の問題よ。私は…、聞いても何も答えられないから…」

――――――モグモグモグ…

レデンの食べる音だけが、異様にでかく聞こえるような気がする。
「そうか…」

――――――モグモグモグ…

「でも、これだけは言っておくわ」
「何だ?」

――――――モグモグモグ…

「レデンちゃんを夜更かしさせたらダメだからね」

――――――ゴックン

「うん、レデン、すぐに眠たくなってしまうニャ」
すでに目をこすっているレデン。
「バカ兄貴、わかった?」
美鈴は本当にお節介と言うか何と言うか…。
「了解した」
良くできた妹だった。



「ここかニャ?」
「あぁ…」
5年ぶり…。遠い昔の記憶。
俺の中にあった風景と、目の前にある風景は全くの別物になっていた。
「まぁ、あれだけ破壊されたらな…」
目の前に広がる景色に圧巻、と言うか驚愕してしまっている俺様がいた。
「ねぇねぇご主人様ッ、ここってどれくらいの広さニャっ?」
「ん~…」

昔、新聞を読んで知った。
破壊された萩原中学校を、ある人物が土地ごと国から買取り、そこを中心に周りの土地も買い占めたことを。
そうして、隣接していた周辺の小学校、中学校、高校を統合させた萩原学園を誕生させた。
規模、影響力、資産、これらで全て日本一の学園だ。

「広すぎて分かんねぇ…」
学園内には大きな建物が立ち並び、校門はクソジジィの屋敷の門よりも巨大だった。
「中には入れそうにないニャァ…」
「そうだな…」
ざっと見たところ、入り口は校門しかなさそうだ。他の入り口はどこにあるか見当も付かない。学園を一周するだけで1日かかるらしいしな…。

「レデン、学校って初めて見たニャ~」
レデンは校門の中を見ようと、鉄格子の間から向こうをじっと見ている。
「外灯が綺麗だニャ~」
「あぁ」
校門から校舎までは、外灯が立ち並ぶ並木道が続き、そのはるか向こうには日本一でかい時計塔がたたずんでいる。
「あの大きな時計は何ニャ?」
「あれは…」
俺の記憶の中にも、あの時計塔があった。
「頑丈な時計だ」
「もうちょっとロマンチックに言えニャ…」
ガックリと肩をうな垂れるレデン。
「本当に頑丈なんだからしょうがねぇだろ」
そう…、あの出来事の後…、あの時計塔しか残っていなかったんだからな…。

「ご主人様はここへ何しに来たんニャ?」
そのとき強い風が吹いた。
並木道に植林されている木々たちが、ザワザワと音を奏でて揺れだした。その音が俺に、「まだ迷っているのか?」、「まだ決めていないのか?」と言っているように聞こえてしまう。
「…ご主人様?」
首をかしげるレデン。

「…約束しにきたんだ」

風が止んだ。
「何をニャ?」
無風の中、俺とレデンの周りにだけ他と違う空気が流れた。

「もう…、俺は過去から逃げないということを」

俺の言葉に、さきほどよりももっと首を傾げるレデン。
「レデン、良くわかんないニャ~…」
「はははっ、レデンには感謝しているぞっ」
「全くわかんないニャ~…」
家の方へと歩きだすレデン。
「おい、もう帰るのか?」
「もう眠たいニャ~…」
確かに、足元がおぼつかなくて危なっかしいぞ。
「すまん、もうちょっとだけ待ってくれ」
「グ~」

もうすでに寝てしまっていたッ!

「すぐに終わるからな」
俺は上着をレデンにかけてあげて、再び校門の前に立った。

「…もう一度ここへ来るとは思いもしなかったよ…」
あのころの口調に戻っている俺がいた。
「ここへは…、もう二度と来ないと思っていたのに…」
…さんが、いなくなってしまった場所だから…。
「でも、もう大丈夫…」
俺は、座って寝ているレデンを見た。
「今はレデンが僕のそばにいるから…、悲しくないんだ」
すやすやと可愛い寝息が聞こえる。

「確かに昔…、ここで悲しいことが起こってしまったよ…」
もう…、俺は泣かない。
「でも…、楽しいことの方がたくさん在ったんだね…」
ほとんどイジメられていた記憶しかないけどな。
「君との思い出は…、本当に壮大で、楽しくて、きつくて、泣いて、笑って、絶叫して、そしてまた笑って…」
本当に、楽しい思い出だ…。
「だから…僕はもう泣かないよ…。でも、ケジメだけはつけようと思うんだ」
グッと握りこぶしを作った。

「立花さんとの思い出を、笑って思い出せるように、僕はここで教師としてしばらくの間過ごしてみるよ。そして、強くなって見せるよ。だから、もう僕は大丈夫だよ」

立花さんの名前を口に出してしゃべったのは、5年ぶりだ…。

「立花さんに鍛えられたからなんとかなるよっ。やっほ~い!」
…変なポーズを取ってしまった。恥ずかしい…。

「…じゃあ、もう僕は行くよ」
校門に背を向けた。
「この仕事が終わったら、もう一度報告しに来るからね」
レデンの元に歩こうとした瞬間。

――――――「バカね…」

「えっ?」
ものすごい勢いで後ろに振り返った。
でも、そこには誰もいなかった…。
「…気のせいだいだよな? はぁ~…、まだまだ俺は弱いなぁ…」
自分の妄想壁に呆れてしまった。何をやっているんだよ、俺は…。

「…帰るか」
寝ていたレデンをおぶってやった。
「フニャ~?」
背中から声が聞こえた。
「おっ、起こしたか。済まんな」
「もう、終わったのかニャ?」
「あぁ、終わったぞ」
「よかったニャ…、ご主人様に聞きたいことがあったんニャ」
「何だ?」

レデンの息が首筋に当たってくすぐったいぞ。

「学校って、何をする場所ニャ?」
「何だ…。レデンは、学校とはどういう場所か知らなかったのか…」
「だって、まだ教えてもらっていないニャ~」
すねたように言う。
「はははっ、すまんすまん。いいかレデン、学校と言うところはだな…」

俺はレデンに、学校とは楽しくて、友達ができて、遊べて、良い思い出がいっぱいできる場所だと教えてあげた。レデンは終始ずっとはしゃいでいて、そんなレデンを見て、俺も楽しくなった。

家に着いたときは、レデンはすでに寝てしまっていた。
「明日から…、忙しくなるぞ」
レデンをベットに寝かしつけると、俺も布団にもぐりこみ、

「立花さん…、俺はもう大丈夫だ…」

――――――グー…

久しぶりに、すぐに寝てしまった…。




(次回予告)

過去を乗り越えることに決めた和也は、次の日クソジジィの屋敷へと向かう。
しかしその時、クソジジィの身にっ………!

まぁ、ギャグみたいなことが起こっていますw

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この記事に対するコメント

ま…まさか…萌え死に!?(ォィ

【2006/03/28 18:45】URL | きつねこ #-[ 編集]

クソジジィは、そう簡単には萌え死してくれませんよw
まぁ、しばらくお待ちをw
あと…、出張お疲れ様でした~☆

【2006/03/28 18:53】URL | シミコン #-[ 編集]

本当にツンデレだw
メイドさんはサイコーですねぇ!
これからもがんばってください |彡サッ

【2006/03/28 20:10】URL | ミクシィから来ましたw #-[ 編集]

おぉ! ミクシィから来た人の初書き込みだッ!
ありがとうございます! 頑張ります!

【2006/03/28 20:24】URL | シミコン #-[ 編集]

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