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”ツンデ・レデン・刹ッ”の第10幕

今日は、友達が横で大工道具を研いでいました。僕はその光景を眺めながら、キーボードに向かって修羅のごとくタイピングしていきました。
こんなに集中して書いたのは久しぶりです。今回の話では、とんでもない話が目白押しです! 
辛口のコメントから、甘口のコメントまで、意見があったら書き込んでくださいよっ!

では、第10幕 スタート!



第10幕  仕事依頼



「まず初めに…、和也よ。生命とは…、どのようにして進化したか知っておるか?」
「はっ?」
神妙な空気の中、クソジジィはその空気をぶち壊すような発言をした。
「突然なんだ? 変な話を始めやがって。萌え忍はどうした」
全く…、ボケが始まったのか?

「むぅ、済まない。だが、和也はこの話を聞かなければならない」
クソジジィは至って真面目だった、いや、真剣と言うほうが正しいな。
「分かった。続けてくれ」
俺は何を言われても無言でいるということに決めた。

「感謝するぞ、和也」
クソジジィの口がまた開いた。
「生命が誕生して以来、生命は止め処なく進化を繰り返している」
なんだか化学の授業みたいだな。
「しかし、何故そこまで生命は進化することができたのであろうか…。いろいろな説がある。ウィルス説、宇宙人説…。だが、どれも違うとワシは思う」
時雨も「うんうん」と頷いている。
「そしてワシが到達した答え…。それは“萌え”じゃった…」

――――――ブフゥ!

「なんじゃい、汚いぞ和也」
「す…済まない。話を続けてくれ」
つい吹き出してしまった。何だか異様に恥ずかしくなってきたぞ。

「単細胞は本能で思った。“もっと細胞がほしい、細胞萌えぇぇぇ~!” その強烈な思いのパワーで生命が息吹いた。萌えとは…、そう、息吹く力じゃ。生命が一歩上に上り詰めるために必要な凄まじいパワーじゃ」

俺の心臓の鼓動がどんどん高まってきた。…クソジジィの話は続く。

「多細胞は思った。“もっと自由がほしい、自由萌えぇぇぇ~!” 魚類は思った。“普通に歩きたい、歩行萌えぇぇぇ~!” 両生類は思った。“俺様ってカッコ良くねぇ? 俺様萌えぇぇぇ~!” 爬虫類は思った。“空飛びたい、飛行萌えぇぇぇ! 二足歩行したい。スラリと長い足萌えぇぇぇ~!” 鳥類は思った。“ふっ、今の私って萌えるキャラよね?” 人類は思った。“もっと萌えたい、進化萌えぇぇぇ~!”」

「龍之介様、お茶でも…」
息が荒くなってきたクソジジィに時雨がお茶を出した。
「おぉ、済まない時雨ちゃん」
「和也さんもどうぞ」
俺の前にもお茶が入ったお碗が置かれた。
「あぁ、済まない」

――――――ズズズゥ…

二人同時にお茶を飲む。高まった胸の鼓動も収まってきた。
「ふむ、では話の続きをするかの」
「あぁ、頼む」
俺はもう、クソジジィの話を一言一句漏らさないように、必死で聞く態度をとっていた。

「さっきまで話したとおり、生命は“萌え”によって進化してきたとワシは考えておる。萌えることにより、そこから生み出される凄まじいパワーは昨日のワシを見てみても分かったじゃろう?」
クソジジィの昨日の姿…。確かに…、俺の渾身の一撃がクソジジィの硬いボディには全く歯が立たなかった。

「まぁな。確かに萌えの力は凄まじいな」
俺はその事を、身をもって体験した。

「ふむ、じゃが。大切なことはもっと他にある」
「他?」

クソジジィはもう一口だけお茶を飲んだ。

「うむ。人類は…、もうこれ以上進化してはならんということじゃ」
「ん? 何故だ? って、時雨どうしたんだ?」
時雨の様子がおかしい。手を口に当てている。何だか、泣くのを堪えているように見える。
「あぐぅ…、ちょっと失礼します…!」

―――――タッ…

さっきの言葉に時雨は耐えられなくなったのか、涙目で部屋から出て行った。
「どうしたんだ、時雨は?」
俺は開けっ放しになっている障子を見ながら言った
「まぁ、時雨ちゃんにもいろいろとあるということじゃ…」
女性に対していろいろと追求することは、俺のプライドが許さないので、これ以上は聞かないことにした。

「…で、何で人類は進化したらいけないんだ?」
俺はクソジジィに視点を戻した。
「うむ、人類がこれ以上進化すると、地球自身が壊れてしまう恐れがある」
「地球か…」
話のスケールがでかすぎて、ちょっとピンと来ないな…。
「うむ、これ以上の進化は恐らく地球の負担になる。地球を傷つけるだけじゃ。ワシはそう思っておる。じゃが…」

クソジジィがドンッと拳を畳に叩きつけた。

「“萌え忍”という組織は、そうは思っておらん!」
「萌え忍…」
萌え忍とは一体…。
「あやつらは“萌え”によって、人類を進化させ、その進化した功績を持って、世界を意のままに操るという野望を持っておるのじゃ!」

「何の話ニャ?」
レデンがカツオ節まみれでこっちに歩いてきた。
「レデンちゃんもここに座りなさい」
レデンが俺の隣に座る。
「何だか真剣な話で眠くなりそうニャァ~」
すでにあくびがこぼれているレデン。しかもカツオ節の匂いが強烈だ。
「レデン…、家に帰ったらちゃんと俺様と一緒にお風呂に入るんだぞっ」

――――――ザシュッ

「一人で入るニャ!」
「了解…」
「ワシもレデンちゃんとお風呂に入りたいのぉ…」

――――――ザシュッ

「了解じゃ…」

俺とクソジジィの顔には、痛そうな爪痕だけが残された。
「おっほん…。それでじゃ…話を戻すかの。和也よ、今までの話で萌え忍というのはどういう組織かは理解したな?」
「あぁ」
「レデンは良く分かんなかったニャ~。難しかったニャ~」
レデンが悲しそうな顔をする。
「ふっ、あとで俺が手取り足取り教えてあげるから安心しろ」
「ふっ、その時はワシも…」

――――――ザシュッ

「それでは、早く話の続きを語り合うぞクソジジィ」
「うむ!」
傷後が増えてしまった。

「萌え忍は、まだ日本でしか活動していない。しかしじゃ、時が経てば、きっと奴らは世界に勢力を広げることは間違いないのじゃ」
話し終えると、クソジジィは懐から何かの紙を取り出した。

――――――パラッ

それを俺たちの前で広げて見せた。
「これは現在の日本の萌え分布図じゃ」
紙には日本の地図が描かれており、所々に赤色で囲まれている部分がある。
「この赤い部分が萌えの発展している地域なのじゃ」
クソジジィが指を指して示した。
「ちなみに、この赤色の地域はすべてワシの経営下にあるのじゃ」
「何だとッ!?」
俺はもう一度地図を見てみる。日本の面積の約半数が赤色に染められている。
「…マジか?」
目の前にいるクソジジィはとんでもない大金持ちだった。

「これぐらいの萌えの分布が最も理想なのじゃ…」
「何故だ?」
俺には良く分からん。
「よいか。“萌え”とは…、人の還る場所じゃ。人の安らげる場所じゃ。しかし、“萌え”ばかりでは、人というものは退化してしまうともワシは思っている」
「そうか…」
俺はちょっと感心した。
「あんたはそうやって日本を守っているんだな」
その言葉にちょっと顔を赤くしたクソジジィ。

「なんじゃい、急に変なことを言うでないぞ…」
「龍之介、何だか顔が赤いニャ?」
レデンがクソジジィの顔を嬉しそうに覗き込む。
「うわっ、気のせいじゃよ、レデンちゃん! それよりも萌え忍についてじゃ!」
クソジジィの指が地図を指した。

「奴らは、この赤い分布を日本全土に広げようとしているのじゃ。奴らは、至る所に存在している。ある病院のナース。ある学校の教師。ある飛行機内のスチュワーデス…、例を挙げたらキリが無いわい。だが、奴らは必ずそうやって存在しているのじゃ」
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
そんな神出鬼没の奴らを見つけるなんて、砂浜で一個の砂粒を見つけるようなものだ。

「うむ、安心せい。ワシは独自に調査して“萌え忍”の大体のアジトを見つけたのじゃ」
「本当かっ?」
なかなかやるじゃないか。
「頭を潰せば、萌え忍の構成員達も壊滅できるというわけじゃ。じゃが…」
「ん、何か問題があるのか?」
顔をしかめるクソジジィ。

「大有りじゃ。そのアジトがかなり厄介なんじゃよ。はぁ~」
ため息をつくほど厄介なのか?
「そのアジトってどこなんだ?」
しばらく沈黙したクソジジィだったが、
「私立萩原学園じゃ」
「何だってッ!?」
俺はその場所を…知っている。

座っていた俺だったが、驚きのあまり立ち上がってしまった。

クソジジィは俺の動揺を確認し、
「そう、日本最大の学園にして…、和也…、お主の母校じゃ…」
「えっ、そうなんニャ!?」
レデンもびっくりって感じだ。
「おめでとうご主人様ッ! これ…、お祝いニャッ!」
俺に差し出されたものはカツオ節…。
「あぁ…、レデンが俺にプレゼントなんて初めてのことだな」
ありがたく頂戴した。

「えへへ~、褒められたニャ~」
レデンは上機嫌だ。

「困惑するのは無理はない。…落ち着いたか和也よ?」
「あぁ、大分ショックがあるが…もう大丈夫だ。レデンのおかげで落ち着いた」
俺はレデンの頭を撫でてあげた。
「ニャゥ~、ゴロゴロ~」
レデンには、本当に癒される。俺の心の支えなのかもしれないな…。

「和也よ。仕事の内容がもうそろそろ分かってきたかの?」
「あぁ…、大体読めてきた」
けっこう危険な仕事だな。

「あの学園だけは、国の管理下から離れているのでワシも手出しができないのじゃ。そこで、私立萩原学園の卒業生、和也よ。お主なら内部の状況にも詳しいはずじゃし、萌えに関してもエキスパートじゃ、まさにうってつけの人材という訳じゃ」
「あぁ…、そうだな」
あそこには…辛い思い出しか残っていないような気がする…。

「では、ヲタク専門の何でも屋の和也よ! 仕事を依頼するぞ!」
クソジジィが立ち上がる。
「仕事内容は…“萌え忍の首謀者を見つける”ことじゃ!」
「ニャニャ~! とっても楽しそうニャァ!」
「そうじゃろそうじゃろ~」
クソジジィとレデンは手を取り合って喜んでいるようだ。だが…、

「悪いが断る」

しばらく沈黙が続いた。
「…なんじゃと?」
俺の言ったことが信じられないって様子だな。
「よいか和也よ。お主で無ければいけないのじゃ。世界が滅んでもよいのか?」
「なんだか…気が乗らないんだよ…」
気が乗らない…。そう、俺様の気が乗らないだけだ。ただそれだけの理由だ。

「何が不満じゃ? 母校なら懐かしいじゃろう。学生もたくさんいるぞ。仕事が成功すれば、お主の望むもの何でも与えるぞ。ワシは総理大臣じゃ。嘘は言わん」
クソジジィの熱意が伝わる。だが…、

「済まないが…」

今回の仕事は引き受けられない…。俺には…耐えなれないかもしれない
俺は顔を伏せた。
「そうか…」
クソジジィはかなり悲しそうだ。
「済まんかった。急な話で困惑させてしまったの。お主の気持ちを全く聞き入れておらなんだわい。済まんかった」
そう言うとクソジジィは深々と頭を下げた。

「………」
俺は何も言えなかった。
「ご主人様?」
済まんレデン。俺には無理なんだ。だから、そんな悲しそうな顔をするな。

「和也よ。一応これは渡しておくぞ」
頭を上げたクソジジィが押入れらしき襖を開けた。
「これじゃ」
俺の手には教員免許証とスーツ。
レデンには萩原学園の学生証と女子用の制服が渡された。

「ジジィ…」
クソジジィは俺たちに背を向けた。
「それをどう使うかは…和也よ…、お主に任せる。焼いてもいい、売ってもいい、自由に使ってくれ。」
「ニャ~、カワイイ制服ニャ~!」
レデンは自分の前に制服をぶら下げて、ニャハハ~と嬉しそうに回転している。

「じゃが…、もし気が変わって仕事を引き受けてくれるのなら…、また明日のこの時間、ここに来てはくれないか?」
俺は………、何も言わなかった。いや、何も言えなかった。

「…今日は忙しい中、わざわざ来てくれて本当に感謝しておる。帰りの道中、気をつけての…」
そうして、俺たちは屋敷内から去った。

「ご主人様…?」
帰宅途中、レデンは何度も俺の様子を伺っている。
「大丈夫かニャ?」
「あぁ…、大丈夫だ」
これで、何回目のやり取りだろうか…。
「今日のご主人様はいつもよりも変ニャ~」
「あぁ…そうだな…」
「やっぱり変ニャ~」

レデンが心配してくれるのは本当に嬉しい。だが、今の俺には苦痛でしかない。

俺は考えていた…。
俺は…どうすればいいべきなのかと…。
どうすれば…、俺は俺のままでいられるのかと…。

あの場所は…、本当に悲しいことが起きてしまった場所だから…。




(次回予告)

和也~、一体過去に何があったんだぁ~!?

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この記事に対するコメント

萌え…w
グゥレイトw

【2006/03/23 18:56】URL | グゥレイト #-[ 編集]

なんか神妙な話きたっ!?
っと姿勢を正して座り直したとたんに座布団を抜き取られましたよw(´Д`υ)

シミコンウェ~ブを乗りこなすのはまだまだ無理なようだなぁ(ノ´ー`)ノ

【2006/03/23 20:59】URL | ふぉくしーすらい #GWMyNl/.[ 編集]

こ、これは……!!!
またまたシミコンくおりちぃー炸裂ですなっ!!!
……次はもしかして学園に突にゅ──(撲殺

【2006/03/24 05:25】URL | きつねこ #-[ 編集]

和也の心の闇。
次の幕で判明します。

そして、その次の幕では、きつねこさん待望の・・・。

【2006/03/24 08:58】URL | シミコン #-[ 編集]

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